お父さん

お父さんはいつも私を守ってくれてた

大学生になっても、夜、布団をかぶってあったかくして寝てるか確認してぐれるぐらいの暖かい人だ

私立の中学を辞めた時も、高校を辞めた時も、お父さんはだけは私を否定しなかった

私が何もできない自分が嫌いで私は普通の人間とは違うっていくら泣いても、「さくらは普通だよ」って何年間も言い続けてくれた

その言葉の意味が分からなくて、私のどこが普通なのかって思って【異常な私】を親として恥ずかしいから認めてくれてないように見えてまた泣いて怒ってお父さんを責めた

 

小学生の時、私がお父さんをイライラさせたことが何回もあって蹴ったり殴ったりしてきたことがあった。

怖いお父さんが大嫌いで、アルバムの写真のお父さんの部分だけを切り取ったりボールペンで塗りつぶしたり「死ね」って何回も私は言った。

 

 

それで今日知ったのはお父さんは母親のことでいろんな所から責められてることだった。

母親は毎日東京に仕事に行く人で、忙しい人だった。学歴やお金があっても人間的に足りないって思ってしまう。自分が全て上手くできる人だから、出来ない人のことをすごく責めてしまう人で、人の弱い部分を認められない人だ。

 

お父さんが出張する時に、実の姉に「夕飯の面倒をみてやってくれないか」と頼んだのに姉は「なんで私がそんなことをやらなくちゃいけないの、母親にそうさせるのが男の仕事でしょう」と怒られたらしい。こてんぱんに怒られた父親は、そこから7年ほど姉と疎遠になった。お父さんは他のことで喧嘩したと嘘をついて、

私はそれを知らずに「意地張るのやめて仲直りしなよ!」と責めた。

そしてお父さんが大人しく出張に行くと、娘は母親と大喧嘩で殴り合いをして家を出て何日も夜遊びして帰ってこない。

母親はヒステリーで金切り声を上げながら、ヨーロッパにいるお父さんに対して電話をかける。

お父さんはどこからも逃げなかった。

男としての責任と、父親としての責任と、人間としての責任に追われて全部放棄しないで真面目に向き合ってきてくれた。

母親に遊んでると言われるから、自分の趣味もやらずに、友達と遊ぶこともなく、

けれども仕事をしてお金を稼いで(それを全部不出来な娘に吸い取られて)、ご飯も作って、食器も洗って、洗濯物もして。

そんな立派なお父さんを、うちは知らずに責めたし、周りの人も「母親を甘えさせる夫が悪い」って責めた。

だからお父さんは頭の中で小さい脳梗塞を何回も起こしてた。私のことも殴って蹴ったし、一人で部屋でお酒を飲んでる。

 

お父さんはいつも私を心配してる。

私の不幸がお父さんの人生を縛り付けてる。

 

いつも弟と私に話しかけてくるお父さんのことを気づかなくて反抗期で邪険に扱ってごめんね。そういえばいつも寂しそうだった。

それでもいつも私のことを応援してくれて、笑ってくれて、うちが鳥取にきてからも一週間に一回は必ず調子はどうかとメールしてきてくれて、足りないものがあれば送ってきてくれて、一生懸命なお父さんに気付いてるし本当にお父さんのこと大好きでお父さんみたいな人と結婚したいって思ってるよ。

だからどうか私の幸せだけがお父さんの幸せなんかじゃなくて、お父さんの幸せを探して欲しい。

 

うちは必ず幸せになるから、お父さんはお父さんで本当に幸せになってくれ。

そして本当にこれからはどうか、私の不幸がお父さんの不幸でないように。